2010年10月31日日曜日

■ 少なくなっていく風景 ■

㊤ 早いもので10月も本日で終わり、最近めっきり涼しくなりました1ヶ月前の暑さが遠い昔のように感じております!3日前私用で盛岡方面を運転中、雪を車の屋根に乗っけた車を数台見かけました、春夏秋冬とはよく言ったもので最近は夏夏冬冬の2季になったような気がします。

㊥さて、先日市内某所を公用で出かけたときの事「うわっ、懐かし~」と感じた風景を見つけました!それがこの写真なんです!なんだか解りますか?↓↓↓
  ○これね、この地方独特なのかな?木造の家を建てるときの「棟上式」で、この辺りでは「建前」といわれる儀式なんです!これは伊達藩、南部藩、界隈?で行なわれているのかどうか定かでは有りませんが、少なくとも数十年前迄はこの地方で年に幾度となく良く見かける光景でした、この儀式の中ほどには、家の当主かその長男が背中に大量の餅を背負い屋根の梁に登り、お金を包んだ「おひねり」や「ごし餅まき」を行います!この儀式には関係者一同が一応に紅い日本手ぬぐいをはちまきにしたり首に巻いたりしながら、まずは四隅に巻きます「隅餅」と言って家人が拾います!それから、いわゆる「ごし餅まき」を行うのですが、これが縁起もんなので、ご近所、関係者、通りすがりの方、老若男女問わず一心不乱で拾い集めます、ケースバイケースでお菓子をまいたり、それはそれは子供の頃の大イベントでした、町内に建前があるぞと言えば皆で行ったものです。
○今では、「建前 」の儀式を見る事が滅多になくなりましたが、お祝いの「ごし餅まき」の風習は、結婚式などの一部で見ることが出来ます。これは「ケンミンショー」で取り上げても良いのでは?と感じている次第です。

㊦ このあたりは、日光の東照宮などを手がけたいわゆる気仙大工の里でもあるので、この慣わしが息づいているのでしょうね。

(気仙大工左官伝承館より) 屋根の上の梁についている飾りの事ですが、「矢車」と言います魔除けの意味を持ち、中央の旗は黄色、東は青で青龍、西は白で白虎、南は赤で朱雀、北は黒で玄武、と其々四方の神様に対応、矢車に紅白の紐(弓づる)を六角形に張り巡らすのは天地、東西南北の六方を守る意味が有ります。矢車の支柱の先には扇、中央付近には、棟札・一対の雛人形・化粧道具を収めた棟箱、その下に宝結びをした帯を釣るします。また、祭壇には、手板(平面図)と墨壺・墨差・曲りガネや野菜・魚・ごし餅などを備えます。

2 件のコメント:

  1. 夏夏冬冬、私もそう思ってました。四季が美しい日本ですが、いつのまにか両極端な気候に変動したんですね。個人的には春夏秋春夏秋が理想です(笑)。

    山形でも昔(大昔ですね。。。私が小学校の頃?)は『建前』やってました。そうなんですよ、最近は全く見なくなりましたね。餅やお金(小銭ですが)入ってる包みを我先に、と取り合いした覚えが有ります。懐かしい!

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  2. taru様、コメント有難うございます!
    この辺の棟梁さんは、昔は家を造って頂ける神様みたいな存在でした!山から木を伐採して数年寝かせ柱や板を作り鉋を掛けて完成までに十年近く掛けて家を造りました、腕の良い棟梁ですと十数件掛け持ちで、仕掛かりの家に仕事に来ると、まずはお茶、そして10時のおやつ、お昼の食事、食事後は午後2時位までお昼ね、そして3時のおやつ夕方はもっきり(お酒)を飲ませてお帰りいただきました。家人はたまったもんじゃ無かった筈です(笑)気仙大工の棟梁はそれ程偉かったのです!大工さんでは有りません大工様!今じゃぁとても考えられません!それ程腕も確かだったし仕事もこなしたからなのでしょう!古きよき時代だったのでしょうね・・今じゃこの地方でもツーバイフォーのゼネコン住宅が大半を占めております!丈夫で暖かく機密性も良いし何しろ施工時間が数週間!大量生産によりコストパフォマーンス魅力ですし、上げ膳据え膳も必要ありませんね、時代の流れです。

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